建設現場で使われる鋼矢板やH形鋼など、用途に応じた建築基礎工事用仮設機材の賃貸及び販売を手掛けている株式会社エムオーテック。環境管理の国際基準であるISO14001を重仮設業界でいち早くすべての拠点で取得し、環境配慮型工事の機械設備を有するなど、CSRを重視した経営方針で業界をけん引する企業だ。10年ほど前までは機材リースを中心に事業を展開していた同社だが、最近では大手ゼネコンから基礎工事を請け負う案件も増え、その基礎工事に関わる工程管理が必要不可欠なものとなっている。そんな同社が手掛ける工事の工程表を管理するための中核ツールとして、シンプルで使い勝手の良い「Project Canvas」が採用されている。
株式会社エムオーテック
東京本店 理事 工事部長
加藤 泰正 氏
1953年に建築基礎工事用仮設機材の賃貸及び販売を手掛ける企業として産声を上げた同社は、現在、全国59ヵ所に支店や営業所、工場を展開。2008年4月には日本鉄鋼建材リース株式会社と合併するなど、積極的な事業展開を行っている。そんな同社に東京本店のフロアリニューアル計画が持ち上がり、新たな工程管理の仕組みが必要になったと加藤泰正 工事部長は導入の経緯を振り返る。
「これまで工事のスケジュールに当たる工程表は、手書きのホワイトボード上で管理していました。しかし、工事が増えるに従って物理的に書き込みスペースがなくなってしまうばかりか、現場の工程に変更があるたびに修正を加えなければならず、管理面でも不都合が生じていたのです。ホワイトボード設置のスペースが新たなオフィスでは確保できないという事情もありました。」
そこで考えたのが、社員全員が持っているPC上で工程表を編集したり閲覧したりできるツールだったという。さっそく、実際にどんなツールが自社に役立つのか検討し始めることになった。
株式会社エムオーテック
東京本店 工事部 工務課 課長
内田 宏 氏
インターネットで工程表として使えるツールを探し始めた加藤工事部長だが、多くの製品が機能過多なものばかりで、最適なツールがなかなか見つからなかったという。
「他製品の評価版をダウンロードして使ってみましたが、集計機能が付いていたりクリティカルパスを自動的に計算する機能があったりなど、我々からすると機能が豊富すぎたのです。工程表を入力し、変更があれば編集する、それをみんなで閲覧できる、という単純な機能だけが必要でした。」
そんな中で目に留まったのが、ルミックス・インターナショナル株式会社が提供しているプロジェクト管理ツール「Project Canvas」。「非常にシンプルなツールではあるものの、工程表を管理するという面で必要な機能が十分に網羅されており、なおかつ誰にでも入力しやすいインターフェースだと感じました。」と工事部 工務課の内田宏課長はその魅力を力説する。
「Project Canvas」は、タスクごとにカラフルに色分けされた工程表で直感的でわかりやすく、工事が増えた場合でも柔軟に段数を拡張していくことが可能な点、長期の工事計画も瞬時に把握できる点が製品選定のポイントとして高く評価したと内田課長。また、他のプロジェクト管理ツールにある余分な機能がそぎ落とされており、その分コストを抑えた価格設定だったことも製品選定の重要なポイントになっているという。
画面サンプル(クリックで拡大表示)
現在は、約25名の工事部門の担当者が外出先から戻ってきた段階で、それぞれ担当している工事の工程を具体的に書き込んでいる。入力作業については、編集中にファイルをロックするシングルモードと複数ユーザーが同時編集可能な共有モードを使い分けながら情報を更新。翌朝、内田課長が全体の工程を再度チェックし、問題がなければ工程表を社内イントラ上に公開することで、営業部門を含む全社規模での工程表の共有が容易に行なえるようになった。
使い勝手の良さについて、内田課長は「工事名や業種など行項目に入力されたキーワードでフィルタリングできるため、必要な工事内容だけを抽出して表示する機能が便利です。行の幅を変えることで必要な項目がしっかりと入力でき、フォルダを使って個別に管理できる面も使いやすいですね。」と高く評価している。また、これまでのホワイトボード管理でできなかった、出先の人や営業所の人との情報共有がスムーズに行えるようになったことも大きな評価のポイントだという。「わざわざホワイトボードが設置された場所までいって工程を確認する必要がなくなりました。業務効率化という面でも「Project Canvas」が役立っています。」と加藤工事部長。
以前のホワイトボードでは1ヶ月分の工程しか管理できなかったものが、今では行項目を柔軟に増やすことができるようになり、数ヶ月先の予定まで確認できるようになったことも「Project Canvas」導入の効果だという。「1ヶ月以上先の予定は担当者のみが握っていた情報だったこともあり、誰にも共有されていませんでした。予定の情報共有が柔軟に行えることで、長期的なスパンで工程を管理できるようになったことも大きいですね。」と内田課長。