段
Project Canvasにおける「段」とは、線表の左側に表示される見出しに対応する概念です。どのスケジュールも、必ずいずれかの段に登録され、段に所属します。段が一つもない線表は、空の線表です。段は、親子関係を構成して階層構造にすることができます。
段の親子関係は、2通りの表現方式があります。一つ目は、Project Canvas が古くからサポートしていた、下左図の方式です。もう一つは、段階層をインデント(左端から行頭文字までの距離)で表現する方式です。どちらの方式をとるかは、プロジェクトファイルごとに、プロジェクト情報タブで設定できます。
親子関係の例
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親子関係の例 (インデント方式)
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親子関係の例
親子関係の例 (インデント方式)
(1) 従来の方式……親の段自体は、通常、線表エリアを持たず、子孫階層を束ねるために存在しています。しかし、[+][-]アイコンで折りたたんだ場合には、子孫階層が見えなくなる代わりに、親の段自体に登録されているスケジュールが見えるようになります。折りたたまないと、サマリー表示ができません。
(2) インデント方式……親の階層でも、常にその段自体に登録されているスケジュールが表示されています(サマリー表示モードを除く)。この方式の利点は、次の通りです。
・段のテキストが長くなっても、この階層に隠れて見えなくなることがないため、比較的長いテキストを設定しても実用に耐えます。
・子孫階層を表示したまま、サマリー表示を表示することができます。
段の作成
線表の作成は、段を作成することから始まります。
@段見出し部の余白をダブルクリックします。
または、メインメニューから[挿入]-[段]を選択します。段を作成する位置に応じて、「一つ上に段を作成」「一つ下に段を作成」「下の階層に段を作成」の中から適切なコマンドを選択します。
A必要事項を入力して、OKをクリックします。
@の操作をすると、段の属性を入力するためのウィンドウが表示されます。このウィンドウに項目を入力すると、線表の段見出し部に内容がプレビューされます。キャンセルボタンをクリックすると、操作前の状態(段を作成する前の状態、または段の属性を変更する前の状態)に戻ります。
(通し番号)
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段見出しに「1, 2, 3, ……」や「1-1-1, 1-1-2, 1-1-3, 1-2-1, ……」などの通し番号を表示するには、[プロジェクト情報]タブの[属性]で自動表示の設定を選んで下さい。
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テキスト
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段見出しに表示される文字列です。CtrlとEnterを同時に押下することで改行も入力できます。
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フォント
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テキストを表示するフォントを、ボタンをクリックして指定します。フォントサイズの単位は、ピクセルです。
また、文字の色を、色指定ドロップコントロールから選択します。
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下枠線
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この段の下部に引かれる枠線とその色を、ドロップコントロールから選択します。この項目は、段見出し部だけでなく、列部と線表部に引かれる横線にまで反映されます。
インデント方式で表示される場合には、物理的に下の枠線にこの「下枠線」のスタイルが適用されるのは、すぐ下に同じ階層の段(つまり、それ自身の兄弟段)がある場合だけです。すぐ下の段が下の階層(つまり子)になる場合は、下の線は「子境界線」のスタイルで表示されます。すぐ下の段が上の階層(つまり、それ自身が「末っ子」の場合)には、下の線は、親の段の「下枠線」のスタイルで描かれます。
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子境界線
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下の階層の段との境界に引かれる枠線とその色を、ドロップコントロールから選択します。この枠線は、この段の「子」にあたる段がある場合にだけ表示されます。「子」にあたる段がなければ、意味を持ちません。インデント方式のときは、下側の横線、インデント方式でない場合は、右側の縦線となります。
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背景色
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背景色を指定します。この項目は、段見出し部だけでなく、列部と線表部に引かれる横線にまで反映されます。
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高さ
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段の高さを指定します。単位はピクセルです。
「子」にあたる段がある時は、「親」の段は、全ての「子」の高さの合計として表示されます。しかし、この段を縮小表示したとき(折りたたんだとき)には、「親」の段の本来の高さが使われます。
Project Canvasで設けている段の高さの制限はありません。
印刷時には、用紙の高さにおさまらない段があると印刷が正常にできません(印刷機能では、ページを段の途中で区切ることをしません)。
また、OSがWindows 95/98/Meの場合は、一番下の段の下端が一番上の段の上端から32,767ピクセル以上離れた場合に、表示が正常にできなくなります。
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幅
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段見出しの横幅を指定します。単位はピクセルです。
この段の「子」にあたる段がある場合に、左端からその境界線までの距離に相当します。「子」にあたる段がなければ、段見出しは右側いっぱいに広がって表示されるため、意味を持ちません。
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関連情報
※ファイルをこの画面にドラッグ&ドロップすることでも指定できます。
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URLまたはファイルパスなどを自由に入力できます。
「開く」ボタンや、メニューコマンドの「関連情報を開く」で、ここで指定したURLやファイルを、標準のWebブラウザまたは拡張子が関連付けられたプログラムで開くことができます。ファイルパスを入力する場合は、このデータを参照するメンバーが開くことのできる位置(サーバーの共有フォルダなど)にファイルがなくてはいけません。\\サーバー名\フォルダ名\....形式(UNC)で入力するようにして下さい。Project Canvasはここで指定したローカルファイルを何処かにアップロードするわけではありません。
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新規追加した段が最初に初期値として持つ外観(スタイル)は、プロジェクト毎に設定できます。必要に応じて、プロジェクト情報タブで「段の初期設定」ボタンをクリックして設定して下さい。
段の一括挿入
段は実用的には「タスク」「プロジェクト」などとして外部のデータから取り込みたいケースも考えられます。Project Canvas では、段を一括して作成する機能があります。
@段を作成したい位置(挿入したい位置)の段をクリックして選択します。
末尾に段を追加したい場合は、段を選択していない状態にします。
Aメインメニューから[挿入]→[段]→[段の一括挿入]を選択します。
表示された画面のテキストエリアに、複数行テキストを入力(またはクリップボードから貼り付け)すると、一行が一段に対応して段が自動生成されます。
段の親子関係と展開/折りたたみ表示
段には「親子関係」を持たせて階層構造を構成させることが可能です。「子」にあたる段を作成するには次のように操作します。
@「親」にしたい段を選択した状態で、メインメニューから[挿入]→[段]→[この下の階層に段を作成]を選択します。
または、「親」にしたい段を右クリックし、[この下の階層に段を作成]を選択します。
A必要事項を入力し、OKをクリックします。
「親」がまだない状態で先に「子」を作成したり、指定した段の「親」を後から作成したりすることはできません。代わりに、段見出しをマウスドラッグすることによって、親子関係をいつでも付け替えることができます。
「子」を持つ段は、右側に[+][-]のアイコンが表示されます。[+]は、その段の下の階層が「折りたたみ」されていることを示し、[-]は、その段の下の階層が「展開」されていることを示します。このアイコンをクリックすることで、展開/折りたたみ状態を切り替えることができます。また、テンキーの[+][-]キーでも操作可能です。
段の展開/折りたたみ機能は、ファイルには保存されないため、他のマシンでは反映されませんが、レジストリに保存され、同じマシン・同じユーザーで次回同じファイルを開いたときには復元されます。
(1) インデント方式でない場合(従来方式の場合)の挙動
「展開」状態にある時、その「子」の階層の段が表示されます。「親」の段の高さは、可視状態な「子」の段の高さの合計となります。「折りたたみ」状態にある時、その下の階層の段は一切表示されなくなります。段見出し部だけでなく、キャンバス部においても、下の階層の段は表示されず、「親」の段の属性で描画が行われます。下の階層の段に登録されているスケジュール等も表示されなくなります。
(2) インデント方式の場合の挙動
「展開」状態にある時、その「子」の階層の段が表示されます。「折りたたみ」状態にある時、その下の階層の段は一切表示されなくなります。段見出し部だけでなく、キャンバス部においても、下の階層の段は表示さません。下の階層の段に登録されているスケジュール等も表示されなくなります。
段の表示/非表示
段を、一時的に「非表示」にすることができます。段を非表示にするには、次の操作を行います。
@非表示にしたい段を選択します。
Aメインメニューの[表示]-[非表示]、またはコンテキストメニューの[非表示]を選択します。
再び表示させたい場合には、メニューの[再表示]から行います。非表示の段そのものを選択することはできないので、一つ上の段、一つ下の段または「親」にあたる段を選択した状態で、メニューを操作します。
非表示にされた段は、印刷出力の対象からも除かれます。段の非表示機能は、ファイルには保存されないため、他のマシンでは反映されませんが、レジストリに保存され、同じマシン・同じユーザーで次回同じファイルを開いたときには復元されます。
段を非表示にした場合、その子孫階層の段も非表示となります。インデント方式においても同様です。
サマリー表示モード
親子関係のある段では、「折りたたみ」状態にある時、二つの表示方法があります。一つは、その段自体に登録されているスケジュールを表示する方法です。前述のように、下の階層のスケジュールは当然表示されなくなります。一方で、「展開」状態にある時には見えない、その段自体のスケジュールが見えます。
一方、サマリー表示モードでは、下の階層にスケジュールが登録されている期間を示す「サマリー」が表示されます。サマリーモードを切り替えるには、メインメニューの[表示] →[サマリー表示モード]を選択してチェックをオン/オフします。または、ツールバーボタンでも切り替えができます。
▲サマリー表示の例
サマリー表示モードにおいては、サマリーが表示されている段の見出しに、サマリー表示中を示す小さなアイコンが表示されます。このアイコンは、折りたたまれた下の階層の段にたまたまスケジュールがなくてサマリーが表示されていない場合でも表示されます。
サマリーは、「左端が最も左にある線型スケジュールの開始点」から「右端の最も右にある線型スケジュールの終了点」まで描画されます。つまり、点型スケジュールは対象となりません。また、スケジュールとスケジュールの間に空白があっても、サマリーには空白は表示されません。サマリーはそれより下の階層の段の“サマリー”として表示するため、その段自身に登録されているスケジュールはサマリーに含まれません。
サマリーの表示に関するカスタマイズは、メインメニューの[ツール]→[オプション]で行えます。
集計日数の表示
段見出しの隅に、その段に登録されているスケジュールの合計日数を表示させることができます。この集計日数は、その段に登録されたスケジュールだけが対象で、子孫階層の段のスケジュールは含みません。また、線型スケジュールだけを対象とし、点型スケジュールは集計に含みません。この集計日数は、「延べ日数」でなく、「正味の日数」です。二つ以上のスケジュールが登録され、一部の期間が重複している場合にも、集計上重複させることはありません。例えば、2月1日〜2月3日のスケジュールと、2月2日〜2月5日のスケジュールの2つがあった場合は、集計日数は「5日」となります。
集計日数は、表示のオン/オフを切り替えることができます。メインメニューの[表示]→[表示オン/オフ]→[集計日数の表示]を選択して下さい。この設定は、印刷出力にも反映されます。集計日数の表示をオフにすれば、理論上、表示処理にかかる時間がわずかですが短縮されます。
集計日数は、各スケジュールのオフセットを元に小数点以下第一位まで表示しますが、端数処理を行っている場合もあるため、概算として考えて下さい。また、サマリー表示モードではその段に登録されているスケジュールが不可視になっているため、集計日数も表示されません。
集計日数の計算に、土日や休日を含めたくない場合には、メインメニューの[ツール]→[オプション]で設定して下さい。また、[ツール]→[オプション]→[表示]で、「休日表示しない設定の日は、土曜日であっても平日色で表示」がチェックされている場合は、平日色の土曜日は平日扱いされ、土日を集計に含めない設定であっても、集計の対象とされます。
段の編集
ここでは、一度作成した段を編集する様々な方法を説明します。
(1)段の削除
右クリックメニューから[削除]を選択します。または段を選択した状態でメインメニューから[編集]→[削除]を選択します。ショートカットキーは、[Delete]です。
(2)段のプロパティの編集
段のプロパティを表示するには、右クリックメニューから[プロパティ]を選択します。または段を選択した状態でメインメニューから[編集]→[プロパティ]を選択します。または、段をダブルクリックすることでも表示されます。
段のプロパティ画面で、いつでも登録時に設定した内容を編集することができます。段のプロパティ画面については「段の作成」の項を参照して下さい。
(3)段の高さと幅の変更
プロパティ画面からも変更できますが、段と段の間のヨコの境界線をドラッグすることで、段の高さを変更することができます。また、段と、その「子」にあたる段の間のタテの境界線をドラッグすることで、段の幅を変更することができます。
[Shift]を押下しながら段の幅を変更すると、同じ階層位置にある他の段の幅も同様に設定します。段の区切り線を縦にそろえたいときに便利です。この機能は、幅をそろえるものであって位置をそろえるものではありませんので、上位の階層の段の幅が異なっている場合には、位置がそろわないこともあります。
(4)段の位置の変更(並び替え)
段をドラッグすることで、段の位置を変更することができます。この操作は、単に並び替えを行なうだけでなく、親子関係の付け替えも行うことが可能です。段を移動すると、その段に登録されていたスケジュールも一緒に移動されます。
(5)段のコピーと貼り付け(クリップボード操作)
段をコピーするには、段を選択して右クリックメニューから[コピー]を選択します(または[Ctrl + C] )。子階層以下の段と、その段に存在するスケジュールやメモもコピーされます。貼り付ける場合は、挿入したい位置の段を選択状態にして右クリックメニューから[コピーした段を挿入]を選択します(または [Ctrl + V] )。段を選択せずに貼り付けた場合は、線表の一番下に貼り付けられます。
コピーした段にスケジュールやメモが含まれている場合は、貼り付ける時に、段だけを貼り付けるか、スケジュールやメモも貼り付けるかを確認する画面が表示されますので、選択して下さい。